twitter ■お問い合わせ当サイトへのリンクサイト仕様

現在位置 > LostTechnology > 使用感 > 4台はい~る Kit USB

4台はい~る Kit USB

4台のハードディスクを1つの外付けケースで済ませてしまおうという製品です。電源を1つにまとめられるため、コンセントの不足やたこ足配線を気にしなくて済むというメリットがあります。また、なによりも嬉しいのが、PCの電源に連動して自動的に電源のオン・オフができることでしょうか。初期設定では無効になっていますが、有効にしておけばケース側の電源は入れっぱなしでOKとなります。

使用することのできるハードディスクは、3.5インチのATA100/133の製品であり、SATAの製品には未対応です。本製品はあまっているハードディスクを外付けのUSB接続ハードディスクとして利用しようというものです。そのため、現段階ではあまっているハードディスクにSATAがあるという状態は珍しいケースでしょうから、EIDEのみのサポートというのは特に問題とはなりません。

本体前面には電源スイッチと、冷却ファンのスイッチがあります。冷却ファンを止めることができるということですが、さすがに4台を内蔵するような場合にはファンレスでは冷却不足で熱が籠もり危険です。8cmの静音ファン(説明書の記述)なので設置場所によっては気になるような音はしないと思います。どちらかというと内蔵するハードディスクのほうの静音性に問題があったり、発熱がすごくて冷却が必須という可能性があるかもしれません。ちなみに電源は内蔵であり、ACアダプタではないのも嬉しい点だと思います。まあ、設置場所が水冷PCのとなりならばともかく、そうでないのであれば気にならない程度の音であることは確かです。少なくとも自分が購入した製品ではそうでした。

製品仕様と取り付け

出荷時はハードディスクケース内にケーブルなどすべての付属品が入れられた状態となっています。ケース前面のネジを2つ外して、ケース前面カバーを外して取り出しましょう。ちなみに本製品はすべてのネジがドライバー不要なので今後本製品を運用していく際の使い勝手はよさそうです。

本体背面を見ていくと、一番目立つのは冷却用の8cmファンです。内蔵するハードディスクの数が少なく、発熱も大したことがないのであれば止めていても大丈夫だと思います。電源コネクタとUSB端子(2.0対応)は、まあ特筆するようなことはありません。5つのディップスイッチがありますが、これは1~4はコンバイン設定をするハードディスクの選択用のものです。ONにすると設定の組み合わせによって指定した複数のドライブをPC側からは1台のドライブとして見られるようになります。20~40GBクラスの今となっては容量の少ないドライブを複数台接続して、それを大容量の1台のハードディスクとして扱いたい場合に使います。ディップスイッチの5番は、PCの電源と連動するかどうかの設定で、ONにするとPCの電源と連動してハードディスクの電源を制御できるようになります。

ここで注意すべき点は、メーカーのサイトに掲載されているディップスイッチの設定とマニュアルのディップスイッチの設定がまったく異なるということ。マニュアルだとすべてオフにした場合にノーマルモード(すべてのハードディスクは独立したドライブ)、メーカーの公式サイトの製品紹介ページだとコンバインモード(4台を1つのドライブとして扱う)となっていたんですよね。コンバインモードになるとハードディスク内容が消えてしまうから、おっかなびっくり設定して接続しましたが……。結果的には説明書のほうが正しかったようですが、この無用な混乱を招くような矛盾した情報の提供は勘弁してほしいところです。

ケース下部には基板があり、IDEや電源のケーブルなどがあります。本製品は説明書によると一番下からハードディスクを取り付けていくようにという指示があります。下からMaster/Slave/Master/Slaveの設定でハードディスクを取り付けるようにということですが、実際には一番下を使うのはためらいを感じます。写真のようにケーブルとハードディスクが接触するであろうことが確実だからです。実際のところ、一番下から使わなければならないのかといえば、そのようなことはありません。結局のところケーブルでPrimaryとSecondaryが決まり、MasterとSlaveはハードディスク側の設定で決まるので、好きなところに取り付けても大丈夫でした。とびとびの設定(Primary-Master&Secondary-Masterなど)で接続しても特に動作には問題がなかったので、保証はできませんが説明書の指示通りじゃなくても大丈夫だと思います。ただし、その場合はケース前面のコンバインモードの状態を示すランプと実際の位置が一致しなくなるので要注意です。

ケース前面からメンテナンスできるので使い勝手はなかなか良好な感じです。ハードディスクはケースの左右の溝を使って設置するため、車輪のようなネジを取り付けることとなります。これもドライバ不要で簡単です。ただ、ちょっと怖いのはそのようなもので高さを固定するだけで、ケース内のハードディスクはしっかりと固定しない運用となるのでハードディスクを前後に動かせます。不安定な場所に設置するのはやや危ないかもしれません(ケース背面のネジを外してケースを完全に開ければ固定も可能)。設置場所に注意すれば問題はないし、メンテナンスのしやすさを考えればこのような運用もありかなとは思います。

なお、2.5インチハードディスクの取り付け用の金具も2つ付属しているので、4台中2台までは2.5インチのハードディスクを取り付けて運用することが可能です。

標準価格17800円は製品としてはやや高い感じを受けるかもしれませんが、3台以上入れるとなればパフォーマンスも良好といえます。1つのケースに3台以上入れたい人、あるいはそのような予定のある人にお薦めしたい製品ですね。

ちなみに「ハードウェアの安全な取り外し」では1個のユニットとして見られているので、各ドライブ別に切り離すということはできません。しかし、切り離したら即座に本製品のハードディスクの電源がすべてオフになるのでかなり便利な感じです。

その後のできごと

3年ぐらい使っていたら、ドライブがひとつ認識されなくなったのでPCを再起動してみたら2つ見えなくなりました。その後は見えなくなったドライブ2つは認識されないまま。うーむ、省スペース狙いだったけど、故障時は一気に被害が拡大しちゃうなぁ……。大容量のHDDが安くなってきたことだし、ひとつのHDDにデータをまとめ、外付けはやめてPCに内蔵することにします。