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HDL-160U

「LANDISK」とストレートに付けられているこの製品名の通り、LANに接続するハードディスクです。DHCPクライアントなので、ルータにでも接続しておけばネットワーク上にこのハードディスクが見えるようになります。LANに繋ぐだけでそのまますぐに使えるのがお手軽で便利。

サーバーを用意して常時電源を入れっぱなしにし、LAN上の共有データ置き場を提供する……ということをしなくてもハードディスク単体で実現できるのがよいですね。今回導入したのは160GBのモデルです。ハードディスクのケースにはUSB2.0対応のコネクタがあり、2台のUSBタイプのハードディスクを増設できるというのも拡張性があってよさそうな感じ。ただし、USBのHubには対応していないので、最大で2台しか増設できません。

省電力モードから復帰するときにはちょっと音がするものの、通常は30cmも離れていれば動作音は聞こえないぐらいで静かというのもよいですね。

簡単な取り付け

箱を開けるとマニュアルの入ったCDが出てきますが、別にマニュアルが必要というわけでもありません。未開封のまま説明も見ずに取り出したLANDISKをルータの隣りに設置し、LANケーブルをルータに接続して電源を入れてセットアップは完了しました。何かソフトウェアをインストールする必要があるとかそういうのはないので、何も難しいところはありません。Windows環境のみのLANならばもう繋いだ直後から普通に使えます。接続するだけですぐ使えるというEasyなのは初心者にも優しいことでしょう。

以上、終了……じゃ使用感にならないですね。

LANDISKを繋いで電源を入れてしばらくすると、マイネットワークに新しく共有フォルダが増えているはずです。必要ならばLANにあわせてLANDISKを適切なワークグループ名に変更したほうがよいでしょう。

使用されているハードディスクは、SAMSUNG SV1604Nでした。ただし、これは出荷時期によって異なるかもしれません。

設定も簡単

ブラウザからhttp://landisk/で設定画面を見ることができます。最初にやっておくべきことは、詳細メニューにある管理者パスワード変更でしょう。パスワードなしというのはセキュリティ上よろしくありません。

設定すべきことはほとんどないのですが、簡単メニュー基本設定でLANDISKの名前やワークグループを変更するとよいかもしれません。ワークグループはPCで使っているものと同じのにしておいたほうが便利です。固定IPで使いたい人は、DHCPクライアントをoffにしてIPアドレスとサブネットマスクを指定しましょう。IPを固定に変更した場合には、設定画面を呼び出せるようになるまで少々待たされるので、まったりと落ち着いて待つこと。

理不尽な増設USBハードディスク仕様

USBで2台までハードディスクを増設できる仕様ですが、これには致命的な問題がありました。一般的に接続したいハードディスクはすでにPCに接続して使っているようなハードディスクだと思うのですが、本製品に接続するためには、大きな問題があります。接続するUSBハードディスクは独自フォーマットにしないといけないので、データを一時的に何らかの別のメディアへ退避する必要があるのです。FAT32でフォーマットしたハードディスクであればそのまま接続して利用できますが、読み込みのみで書き込み不可。WindowsXPでは32GB以上の容量だとNTFSでフォーマットされることを考慮すれば非現実的な仕様といえます。事実上、LANDISKの容量が不足した場合にUSB接続のハードディスクを買ってきて増設するといったケースでしか使用できませんね。この仕様は非常に残念です。AVeL LinkServerに一時的にUSBのハードディスクを接続したいという人がいるでしょうし、次期製品ではNTFSの読み書きに対応するよう改善されることを期待します。

高度な設定

詳細メニュー内の高度な設定という項目にある設定のうち、使用頻度がある程度ありそうな設定項目をここで紹介していきます。

サービス設定
本製品は出荷時はMicrosoftネットワークのみ有効です。LAN内にMacintoshがあるのであれば、このサービス設定でAppleShareネットワークにチェックを付ける必要があります。ただし、ファームウェア1.42の段階ではAppleShareネットワークからは日本語のフォルダ名の扱いに問題があることもあるようですので注意が必要となるかもしれません(Mac持っていないので自分自身では未確認)。
なお、FTPサービスも有効にできます。この機能を利用してルータなどを適切に設定すれば、外出先からLANDISK内のデータを利用可能です。FTP利用をするならば、該当フォルダの利用権限をユーザー名とパスワードで設定して、セキュリティを確保する必要がありますけど。サーバーPCを用意しなくてもこのようなことができるのが嬉しいですね。使わないと思いますが、anonymousダウンロードも設定可能。FTPのファイルサイズ上限は2GBです。LANから見れるファイルでもFTPから見れないという場合にはファイルサイズをチェックしてみてください。
anonymousでは誰でも読み取れてしまうからと、ユーザーごとにアカウントを作って管理したいのは自然な流れです。しかし、FTPサーバーの仕様が謎でユーザーアカウントを1つだけ選んでの公開。ftp-usersとグループを作って、FTP公開用のフォルダアクセス権をそのグループにしようとしても無駄。アカウント1つにしかFTP公開はできません。ファームのアップデートでどうにかならないのかな……。FTPサーバーを立てずに仕事のデータを外部とやり取りできるかと思ったのに。外出先から自分だけが扱うという用途にしか使えなくて残念。KDDI光プラス向けにネットワークの調整を行なったWindows XPにてFFFTPでLANからFTP転送を行なったところ、送受信とも7800~11300KB/s程度となりました。FTP処理はあまり早くないようですね。
AppleShare設定
WindowsとMacintosh間で全角(2バイト文字)を使ったファイルを共有できるようにするかの設定ができます。持っているMacintoshが最近の機種ならば共有可能にするべきでしょう。古い機種との互換性のための設定項目のようです。
タイムサーバ設定
LAN内で時間管理を厳密にするならば必須の機能ですが、当然サポートされています。サーバー名かIPアドレスで対象を指定し、指定時刻に同期させることが可能です。
AVeL LinkServer設定
同社の発売しているネットワークメディアプレーヤーからこのLANDISKを参照できるようにする設定項目です。本製品に動画データを保存しておけばPCの電源を入れなくても再生可能というわけですね。ネットワークメディアプレーヤーを持っている人には便利な機能なのではないでしょうか。将来的にネットワークメディアプレーヤーを購入予定で本製品を先行して購入した自分はまだ未知の項目です。
ユーザー設定/グループ設定/共有設定
これらは共有するフォルダの管理機能ですね。本製品の共有フォルダ部分にアクセスできるユーザーを制限したい場合に役立ちます。
省電力設定
出荷時はハードディスクへのアクセスが10分間なければハードディスクの電源を落として節電するようになっていますが、1/2/3/5/15/20/30/60分へ変更ができます。お好みで設定を変更しましょう。ちなみに自分は5分に設定してあります。
その他
ファームウェアのアップデートやシャットダウンなどもメニューにあります。シャットダウンしてもWake On Lanを有効にしておけば本製品へのアクセス時に自動的に電源が入るはずです(出荷時は無効)。シャットダウンしなくても省電力設定で通常は十分だと思います。

ファームウェアのアップデートは1.42の時点で9.5MBほどと結構大きなサイズです。

購入の検討は慎重に

LAN接続のハードディスクのメリットはネットワーク上に共有するドライブが用意できることです。複数台のPCを持っていたり、ネットワークメディアプレーヤーを持っていないとあまりメリットはないでしょう。i.LINKやUSB2.0の外付けハードディスクに比べて価格・速度面で不利ですから。各仕様の理論上の最大速度は下に掲載しておきます。

100BASE-TX/10BASE-T(LANDISK)
100BASEならば100Mbps、10BASEならば10Mbps。
IEEE1394(i.LINK)
機器により100~400Mbps。ごく初期の対応機器や家電でない限り、ほとんどの製品は400Mbps仕様をサポート。IEEE1394bは800Mbps。
USB1.1/2.0
USB1.1は1.5Mbps(Low-Speed)もしくは12Mbps(High-Speed)。USB2.0は最大480Mbps。

ちょっと動作が変かも?

この製品のおまけ的な簡易FTPサーバーには少々問題があるようです。FTPサーバーを使う人はそう多くないだろうし、本格的にFTPサーバーを使う人には機能が足りません。つまり、以下の部分は実際問題としてはさほど影響ない問題です。

ファームウェア1.50において、利用がLANであれFTPであれ、どうもファイル名管理が変な感じです。この製品にInternet ExplorerからFTPアクセス(ftp://landisk)するとエラー連発となることがありますね。特定条件下で確実な再現性あり。ショートファイルネームがWindows標準のルールと異なるからか変になるケースがあって困惑。それによってFTPもInternet Explorerではエラー表示が出ているのかも。まあ、ファイルが壊れたりとかそういうことはないので、仕様だと思って気にしなければいいだけなのでしょうけれど、自分は気になるんですよねぇ。

一応報告はしましたがユーザーサポートはアテにならないようなので放置中。FTPはFFFTPを使えだそうな。LAN接続タイプは、やはりもうちょっとこなれてくるまで購入しないべきだったか……。

2005年2月、恐るべき不具合を発見。でも報告してもまた無駄になるだろうから放置でいいや……。FTP機能を使う人は、アクセスログがバグっているので何らかの条件下でアクセス記録がログに残らないことがあるのを覚悟の上でご利用ください。会社側でダウンロードしたデータが、確認できるだけで少なくとも7件がログに残っていませんでした。